細い、小さな針で刺されたような痛みがした。
庭先から、楽しそうな笑い声がする。
懐かしい、大好きな。
けれど、記憶のそれと僅かに違う、それ。
それが聞こえる度に、ちくり、と痛みが走る。
最初は、素直に年老いたのだと思った。
けれど、同時に去来する孤独感。
また、彼らと過ごせるようになったら、きっと無くなるだろうと思っていた孤独感が、
より強くなっているのに気づいてしまった。
彼らは、彼らであって。
彼らでは、ないのだ。
気づいて、冷静になってみれだ当たり前のことなのに。
80年、気づかないふりをして。
突然いなくなってしまった、会えなくなってしまった彼らに、また、会いたい。
その一心で、私の、エゴで。
あぁ。
(ーーー寂しい)
決して、音にしてはいけない。
あんなに楽しそうに。
あんなに無邪気に。
生きている、彼らを。
私を慕ってくれる、彼らを。
傷つけたくは、ないのだ。
けれど。
けれど。
あぁ。
なのに。
(限界が、近い)
私は
彼らを
終わらせなければならない。
(また、ハカセって呼んでくれる?)
空を見上げて、問いかける。
わがままな私の
お願い。
どうか、どうか。
叶いますように。
あとがき。
勢いで、ばばーっと書きました。
おかしいな、センセイには笑顔でいて欲しいのにw
イメージは、オープニングのちょい前です。